多くの企業で面接官を担当し、また多くの方々の面接指導をさせていただいた経験から、重要な実践的ポイントをお伝えします!
面接官経験のない人のアドバイスは要注意です!!
よく公的機関や民間で面接に関するアドバイスを(無料で)実施しています。アドバイサーの中には面接官として実際に面接を行った経験の無い方が実は多いようです。面接の対策マニュアルや基本メソッドをマスターしただけの方が行うアドバイスは正直なところ如何なものかと言わざるを得ません。
相談者個々の実情を詳細に把握することなく、どの相談者に対してもまるで正解があるかのごとくマニュアル通りの模範解答を要求するような指導・アドバイスには要注意です。企業(面接官)によって受け取り方も判断基準も異なります。個々の経歴や特性に応じ、面接におけるプレゼンテーションの指導内容は異なるのが当然ですね。
面接指導を行う場合、これまで積み重ねてきた面接官の経験をもとに、必ず “面接官の立場と目線” に立って指導させていただくよう心掛けています。面接官の立場に立って『なるほど。』と思われるプレゼンテーション創りが目標です。
“面接”というセンシティブな環境で実施されている内容に対する実戦的アドバイスは、実際に面接官の経験を積み重ねた人にしかできないものなんです。
アドバイスを受ける時は、まず次の質問をしてみて下さい。
『企業で実際に面接官を務めた経験はありますか・・・?』と。
『何社受けても面接で落ちてしまう。』という時は、何か根本的な問題が有るはずです!
『何社受けても面接で落ちてしまう。』というご相談をよく受けます。
会社が違えば求める人物像も判断基準も質問事項も違うはずなのに、ことごとくNGを出されてしまうということは質問に対する返答のディテールの問題ではなく、根本的な問題がどこかにあると思って間違いないと思います。
逆に考えれば、それが何なのかを見つけ出すことができれば面接のレベルを格段に向上できるかもしれないという事ですね。ただ、それが何なのかが自分ではわからないのです。経験不足のアドバイサーにも見抜けないのです。
このようなケースの場合、見つけ出すのは意外と簡単です。
面接官になって “模擬面接” を実施してみます。実際の面接シーンを再現してみると、『ネックはこれか!』という発見が必ず有ります。問題を見つけてしまえば修正は意外と簡単なんです。
マニュアル的な模範解答の丸暗記を面接官は見抜きます!
面接で質問をすると、用意してきた模範解答を思い出す事に必死な方をよく見受けます。自分の言葉で話しているのではなく、面接用に作った解答をしている姿はとても不自然でぎこちなく感じられます。質問に対する解答を受けて更に掘り下げた質問をすると、そこでストーリーが破綻してしまいます。
面接官が聞きたいのは『あなたの考えを聞かせて下さい。』『あなたの経験を教えて下さい。』と言う事です。
用意してきた模範解答に対し○×を付けている訳ではないのです。これも間違った対策・指導の弊害でしょうか。
模範解答を暗記する事よりも、自己の棚卸をしっかりすることが重要ですね。それさえしっかりとできていれば、後は少しの表現練習で十分なはずです。模擬面接を重ねていくことはとても効果的です。
質問されることは全て自分自身についてですから。
面接を通して、コミュニケーション・スキルが試されています。
面接では質問事項に対する返答内容も確かに重要ですが、それ以上に大切なことは『面接官とのコミュニケーションが成立しているか。』と言う事です。
面接官の質問の意図を読み取れず、的外れな返答をしてしまったり・・・。
自分が話す事に必死になり過ぎて、聞き手(面接官)が目に入っていなかったり・・・。
質問に対する返答のレベルがズレてしまったり・・・。
質問に対する返答が『YES』『NO』だけで終わってしまったり・・・。
目線が泳いで、面接官とのアイコンタクトが取れていなかったり・・・。
面接は聞かれた事にただ答えるだけの場ではありません。面接官と受験者のコミュニケーションの場です。自分自身にとってプレゼンテーションの場なのですから、聞き手を十分意識しながらコミュニケーションをきちんと成立させましょう。
この点につきましても、模擬面接を重ねていくことで問題点が発見できますし、面接におけるコミュニケーションのレベルが自然に向上していくことを体感できると思います。
『可も無く不可も無く』は “不可!”
面接対策と言うと、ついマイナス面の修正ばかりに目を向けがちになります。ネックになる様なマイナスポイントについて可能な限り事前に修正をかけておく事は必要ですが、自己のマイナス面にばかり気を取られていると、面接がとても委縮した迫力のないプレゼンテーションになってしまいます。
面接官が一番見たいのは“強み”です。仕事の成果は強みから生み出されるからです。
従いまして面接で一番重要な事は自己の強みを最大にプレゼンテーションすることで、弱みを打ち消す事ではありません。それは許容範囲に収まっていれば十分です。誰にでも強みと弱みがある事は、面接官も分かっています。
『致命的な弱みはなさそうだけど、これと言った強みも見当たらないなあ。』
正に可も無く不可も無くといった印象です。面接でこんな印象を残したら、結果はほぼNGですね。
自己の強みや魅力をしっかりと伝えられる面接プレゼンテーションを創り上げましょう!